父・カズのジャージを着た理由は「安心材料」。三浦孝太が振り返るプロ2戦目の「怖さ」とイメージ通りの一本勝ち (3ページ目)

  • 池田鉄平●取材・文 text by Ikeda Teppei
  • 撮影●興梠真穂 photo by Korogi Maho

――舞台は、デビュー戦と同じさいたまスーパーアリーナでした。入場でも緊張を感じましたか?

「入場はフワフワしていましたね。逆に周りが見えすぎちゃったというか、友達が『孝太!』って叫んでいるのとかも全部わかるくらいだったので、『やばいな』と思いました。それだけ冷静ということは、アドレナリンが出てないということなんじゃないかと。でも、試合が始まってパンチをもらった時は痛くなかったので、『アドレナリンは出てる。大丈夫だ』と安心しました」

――SNSなどでは、入場時にも身に着けていた三浦知良選手のヴェルディ川崎時代のジャージが話題になりました。どんな思いで着たんですか?

「SNSでの反応はわからないですけど、自分の知らないところでそれが話題になったのならよかったです。あのジャージは、自分の"安心材料"でもあります。試合前には、お父さんの試合を見て気持ちを昂らせていましたし、『その遺伝子を受け継ぐ』という意味も含めて、あれは成功だったかなと思います」

――2試合目の勝利の反響は、初戦より大きかったですか?

「それはもちろん大きいです。1試合目でファンが一気に増えて、2試合欠場したけど応援しようと思ってくれている人がたくさんいた。今回の試合を見て新しくファンになってくれた人もいると思うので、みんながもっと興奮できるような試合をして、勝っていきたいです」

――ご家族からは何か言葉をかけてもらいましたか?

「みんなホッとしていて、祝福してもらいました。『これからもっと頑張っていこう』とも言われましたね。さらに大きな試合を経験していって、いろんな緊張感も含めて、家族にも楽しんでもらえたらと思います」

――今年1月のインタビューでは、デビュー戦はいい意味で「高校の体育祭に行く気分でやっていた」とコメントしていました。しかし今回は、「プロ格闘家である」という意識を強く感じます。

「その意識はすごく変わりました。前回は未知の領域への挑戦で、みんなに自分を知ってもらうために、少しでも目立てればいいという感じでしたから。だけど今回は、実力を見せたい、世界中の人にもっと魅力を感じてもらいたいといった、いろんな感情があった。覚悟が違ったと思います。それが出すぎてしまった部分もあると思うので、次回はもうすこし落ち着いて試合を迎えられるようにしたいです」

(後編:メイウェザー×朝倉未来に抱いた嫉妬心。今、対戦要求をしてくる選手には「魅力を感じない」>>)

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