ストロング小林vs猪木に日本中が熱狂。仕掛け人・新間寿、生前の小林の言葉で振り返る「昭和の巌流島」 (4ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Tokyo Sports/AFLO

 新日本プロレスは旗揚げからこの一戦までに、蔵前国技館で3大会を開催したが、いずれも満員にはならなかった。しかし「ストロング小林」が猪木と闘うということにファンは熱狂し、記録的な観客動員が実現したのだ。

 結果、新日本は低迷を脱出。小林さんは腰痛が悪化して1984年に現役生活を引退したが、新日本は全日本を凌駕するまでの団体となり、今年で50周年を迎えた。すべての礎は、あの時の小林さんの決断にあったのだ。同書に遺された言葉に、小林さんのプロレス哲学のすべてが詰まっている。

「僕はただお客さんに喜んでもらいたいと思って試合をしていました」

 多くの人を喜ばせた「ストロング小林」は、永遠にファンのなかで生き続ける。

◆藤波辰爾の好評連載。猪木、長州、前田、闘魂三銃士、鶴田、外国人レスラーたちを語り尽くした>>

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