長谷川穂積が選ぶベストバウト。「日本武道館が水を打ったように...」 (8ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 大村克巳●撮影 photo by Ohmura Katsumi

―― 今は現役選手に日本ボクシングを託すような感覚ですか?

長谷川 がんばってほしいですね。ただ、今言ったように、僕しか僕のボクシング人生を歩めないのと同時に、当たり前ですけど、彼らのボクシング人生は彼らにしか歩めない。彼らしか紡げない物語がある。ある意味、当然なんですけど、誰にもできない、歩けない道を歩いてほしいです。だから、もちろん応援しますけど、僕が何か言えるようなことはないですね。

―― もしも漫画なら、ウーゴ・ルイス(メキシコ)に勝って3階級制覇した瞬間が最終回だと思いますが......。

長谷川 そうですね。ただ人生は、こっからが長いんでね。今考えているのは、自分自身も身体を動かすようなボクシングジムが作れたらと思っています。あとは、困ってる選手がいたら手を差し伸べられるような、組合のようなものができたらいいなとも。もちろん、試合のコメンテーターのような仕事も続けたいです。ただ、どんなことをするにしても、現役時代を応援してくださった人たちをガッカリさせるようなことはしたくないですね。

―― 過去・現在を問わず、戦ってみたかった選手はいますか?

長谷川 前からずっと言っていますが、ノニト・ドネア(フィリピン)とはやってみたいですね。過去形ではなく、もしもドネアから声がかかるなら、現役復帰すると思います。ドネアに『キャリアの最後にお前とやりたい』って言われたら、やるに決まってるんですよ。来月って言われたら無理ですけど、きっちり時間を取ってくれるなら。絶対にやります。

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