錦織圭・単独インタビュー 8カ月ぶりの復帰に「ちょっと浦島太郎感」 引退について「急にもう今年までって言うかも」 (3ページ目)

  • 内田 暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki

 テニス面で言えば、錦織は今年に入り新コーチとして、2002年全豪オープン優勝者のトーマス・ヨハンソンをチームに迎えた。「僕のいいところを伸ばしてくれる」という新コーチとはこのひと月ほど、サーブの改革に取り組んでいるとも言う。

「直すところは、いくつかある。すぐにできるとは思わないので、長い目で見てやっています」というのが、錦織の心境だ。

 長い目......それはすなわち、まだまだ続くキャリアを思い描いているということだろうか?

「そうですね、やる気が続くかぎりは。まったく見えないですけども......急に、もう今年までって言うかもしれないし、2〜3年先かもしれないし。まだ、あんまり先は見てないですが、なるべく長くやる方向で、自分では考えています」

 新しいコーチを迎え、新しい声を耳にすることで、自分のなかに改善の余地や、成長の喜びを見つけることはあるだろうか?

「ああ、たしかにありますね。いまだに、いっぱいやることがあるので。もちろん自分のテニスの形はあるし、たぶん、いまさらプレースタイルを変えるってことはないと思います。

 基本的には、攻めていくっていうプレースタイルは変わらないけど、ちょいちょい直すところがまだあったりするのは、コーチと話しながら判明していく。新しいことが見つかるので、コーチを変えたりするのも、結果としてはよかったなって思っています」

 錦織が追及する「攻めるプレースタイル」は、現在の男子テニス界の趨勢(すうせい)であり、その新世代の急先鋒がカルロス・アルカラス(スペイン)とヤニック・シナー(イタリア)である。

 以前に、このふたりの名を「対戦してみたい選手」として挙げていた錦織は、彼らの試合を見ながら「自分ならこう戦うかな?」と思うことがあるだろうか?

「ちょっと考えますね。でもあんまり、解決策が見当たらないですけど。特にあのふたりに関しては(笑)。でもなんか、『こうやってプレーしたらどうかな』とかは、なんか考えたりはしますね。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る