「ラグビー黄金世代」注目の大学生12人 リーチ2世、松島幸太朗2世など逸材多数 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【セブンズとの二刀流でオリンピックも目指す】

 進路は父と相談した結果、兄(CTB/WTB青柳龍之介3年)も在籍する帝京大に進学。ルーキーながら春から試合出場を重ねており、「強みは1対1。ボールを持てば行ける自信がある」と話す。その言葉どおり、対抗戦デビューとなった成蹊大戦ではハットトリックを飾っている。

 帝京大は才能ある1年生を積極的に起用することでも知られる。ステップと判断力に優れ、スペース感覚も秀でている身長177cmのランナーに白羽の矢を立てた。今季はWTBとして出場しているが、今後はFBやSOへのコンバートも視野に入っており、将来はリーダーとして「紅き旋風」を引っ張っていくだろう。

 3人目は、昨季の大学選手権でベスト4に入った筑波大から紹介したい。大学1年生ながら「国立大の雄」のエースとなりつつあるWTB/CTB/FB飯岡健人(いいおか・けんと)だ。

 茨城県つくば市出身の飯岡は3歳から競技を始め、高校は千葉・流通経済大柏に進学。主にCTBとしてプレーし、花園や高校日本代表でも注目を集めた逸材である。184cmの長身で、力強いランだけでなくハイボールにも強く、セブンズのユースアカデミーにも選ばれている。好きな選手は元ニュージーランド代表のソニー ビル・ウィリアムズ。セブンズ日本代表にもチャレンジしてほしいタレントである。

 今年4月の東日本大学セブンズに出場。東海大大阪仰星から入部した同じく1年生のWTB/FB増山将(ますやま・しょう)とともに、得意のランで9年ぶり4度目の優勝に貢献した。「いつかオリンピックに出てみたい!」と声を弾ませる、強くて速いランナー飯岡は、今後も注目の存在だ。

 創部100周年を迎える明治大は今季、高校日本代表10人が入部した。そんな厚い選手層のなかでも、今年のルーキーは早くも出場の機会を得ている。

 明治大ヘッドコーチを務める伊藤宏明の息子であるSO伊藤利江人(いとう・りえと)、FB竹之下仁吾(たけのした・じんご)、スピードスターのWTB海老澤琥珀(えびさわ・こはく)とHO木谷光(きたに・ひかる)が試合出場数を増やしており、報徳学園出身者が台頭しつつある。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る