ラグビー日本代表の「ロック&ウイング人材難」がついに解消? 鉄人と福岡堅樹の穴を埋める新戦力が台頭 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

【福岡堅樹が抜けたWTBの穴】

 一方、福岡堅樹が引退したWTBのポジションも同様だ。新たな人材を欲している。

昨季リーグワンで16トライを挙げた木田晴斗(24歳/クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、シオサイア・フィフィタ(24歳/トヨタヴェルブリッツ)のふたりはケガでコンディション不良、松島幸太朗(30歳/東京サントリーサンゴリアス)はFBでの出場機会が多くなっている。

 そんな状況のなか、WTBの穴を埋める活躍を見せたのが、今回の試合でトライを挙げたナイカブラとマシレワだった。

 サモア戦で初キャップを得た29歳のナイカブラは、フィジーの200人ほどの村出身。7歳で競技を始め、ニュージーランド留学後、摂南大に進学した。2017年から7人制ラグビー日本代表として活躍し、2018年にはセブンズのワールドカップにも出場した俊足ランナーである。

 所属する東芝ブレイブルーパス東京では15人制に専念し、2021年=6トライ、2022年=9トライ、2023年=10トライとコンスタントに活躍し続けた。2021年から日本代表に呼ばれるようになり、今夏ようやくチャンスが回ってきた。

 関係者の誰に聞いても、ナイカブラの印象は「シャイ」という答えがかえってくる。それがプレーにも影響していたのだろうか。ひとりでトライを取りきる力を持ったWTBだけに、やっと日本代表にフィットしてきた。

「このチームでプレーを重ねてきて、ようやく自信がついてきました。ワールドカップに向けての競争は激しいですが、基本的なことをしっかりとやって、チームと一緒に成長していくことが大事」

 試合後のナイカブラからは、シャイとは思えぬ強気な発言も聞けた。

 そしてWTBのもうひとり、マシレワもフィジー出身の31歳。ニュージーランドの高校を経てオーストラリアのフォースで活躍後、2017年から花園近鉄ライナーズに所属している。ランとステップが武器で2018年はサンウルブズでもプレーした経歴を持つ。

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