【ラグビー】熟成の途上。全勝で連覇を達成したサントリーのクラブ文化 (3ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

 今季、大久保監督は、エディー・ジョーンズ前監督(現日本代表監督)から指揮を引き継いだ。各選手にフィジカル、体力アップを数値で求めた。そのための厳しいトレーニングが課せられてきた。午前6時からの朝練習、実戦さながらのブレイクダウン……。体重にしても、真壁主将は昨季より5kg増えて115kg、西川も6kg増えて96kgとなった。

 同監督は、サントリー・サンゴリアスの伝統を継承させていくため、入社3年目までの「SOS(ソス)」(Seeds Of SUNGOLIATH=サンゴリアスの種たち)と称した若手の成長を重視している。
 
サントリーはこれで2季連続3度目のTL制覇となった。大久保監督が続ける。

「昨季までの2年間、エディーと一緒に土台を作ってきて、その土台の上に家を建てている状態です。まだちょっと柱の数が少ないけれど……。チームは(入団)1年目から3年目までの選手が45%。彼らがサントリーのカルチャーを引き継いでいってくれれば、いつか東芝さん(TL5度優勝)に追いつけるんじゃないかと思います」

クラブ内の規律、責任、不断の努力、そしてレギュラー入りをかけた切磋琢磨。とびきり上等の赤ワインのごとく、「超攻撃ラグビー」を柱としたサントリーのクラブ文化が徐々に熟成されつつある。

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