【卓球】松下浩二のリオ展望「水谷隼は世界王者になれる才能」 (3ページ目)

  • 水野光博●構成 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 とにかく新しい技術、スタイル、用具を考え、常に他国より一歩リードしてきたのが中国です。ライバル国がマネして追いついてきたときには、また一歩先の何かを見つけています。つまり、そこまで真剣だということ。「勝てたらいいな」というレベルではなく、「絶対に勝つ!」という信念のもとに選手を育てているからです。

 中国の上に行くには、最低でも彼らと同じ目標、考え方、決意を持たなければ難しいでしょう。中国以外からも世界チャンピオンを生み出すことが可能であることを証明するためにも、水谷選手にはぜひ、リオ五輪で結果を残してほしいです。

 五輪2度目の出場となる丹羽孝希(にわ・こうき)選手は、私が社長を務めるヤマト卓球とスポンサー契約をさせていただいているので、話をする機会も多いプレーヤーです。

 丹羽選手をひと言で言えば、安定感はないが(笑)、サプライズのある選手。掴みどころがない選手で、格下にコロッと負けたかと思えば、強豪の中国人選手を倒したりもします。ハマれば水谷選手が勝てなかった選手にも勝つ可能性があるので、リオ五輪でダークホースとなる可能性は十分にあるでしょう。

 台に近いところで速い卓球をするスタイルなので、何よりも大事なのはタイミング。相手に合わせず、常に自分のタイミングで卓球をできるかが、勝負の分かれ目です。いうならば、自分勝手な卓球を貫けるかどうかです。

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