渡邊雄太のように日本バスケ界の至宝となるか 金近廉(20歳)と川島悠翔(18歳)の成長がすごい (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【NBAグローバルアカデミーでもトップの身体能力】

 地元の群馬を離れ、2021年に名門の福岡大学附属大濠高校へ進学すると、1年生から主力として同年のウインターカップで全国制覇。その後はU16アジア選手権でMVPを獲得し、さらにはU17ワールドカップにも出場してきた。2021年のU19ワールドカップにはチーム最年少の16歳で選出され、金近とともに世界を相手に戦っている。

 高校2年生終了後に大濠高を離れ、オーストラリアに拠点を置き、選ばれし者しか選抜されないNBAグローバルアカデミーに入学。その先の「NBA入り」という高みを視野に入れる。昨秋にはワールドカップメンバー以外の選手で構成された日本代表としてアジア競技大会にも出たが、次は"真の"A代表入りと世界大会の舞台に立つことを目標とする。

 世界から才能の集まるNBAグローバルアカデミーにおいても、川島の身体能力は上位だそうだ。なかでもジャンプ力はトップだという(正確に跳躍力が計測できる機器での計測で約56cmという高い数値を出したことがある)。

 当人は「ウェイト(トレーニング)と(帰国時の)日本食の成果です」と冗談めかしたが、現在の体重は93kgと記されている公式データも上回り、3ケタ前後まで増えているという。

 今は主にパワーフォワードポジションでプレーする201cmの川島にとって、「目下のところ」一番の武器は、自身が「継続して磨いてきた」というドライブインだ。「目下のところ」としたのは、この先、アメリカなど高いレベルの環境でやっていくためには、さらにオールラウンドな力量が必要となってくることを自覚しているから。

 また、日本代表での活躍を見据えても同様だ。ホーバスHCは川島について「上手になった」と評する一方で、「シュートはまだまだ。あのくらいの身長で3Pがあれば3番(スモールフォワード)でピッタリ」と話している。

 ちなみに、2022年開催のU17ワールドカップとU18アジア選手権に出場した川島は、1試合平均でそれぞれ5.9本、4.0本と多くの3P試投数を記録しているが、成功率はいずれも20パーセント台だった。

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