河村勇輝が「苦しむことを望んでいた」と言える理由 バスケW杯の映像は「恥ずかしくて見ない」 (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

── ワールドカップの試合映像を振り返って見たりしますか?

「いやぁ、特に(大逆転を演出した)フィンランド戦などはあまり見ていないですね。なんか、ちょっと恥ずかしくて......(苦笑)。どちらかというと(見るのであればオリンピックを考えて)ドイツ戦やオーストラリア戦のほうを見ますね」

── 今夏にはオリンピックが待ち受けています。河村選手は東海大学を離れてプロに転向した際、「パリオリンピックで日本を代表するようなポイントガードになることが目標」と言っていました。ワールドカップはすでに経験しましたが、オリンピックに臨む気持ちとはまた違ったものでしょうか?

「そうですね。オリンピックというのは、本当にワールドカップとは別なもの、異なるものだと思っています。同じ期間にバスケットボール以外のほかのスポーツもひとつの場所に集まるので、バスケットボールというだけでなく、日本というチームの一員として戦いに行かないといけない部分もある。また違った緊張感があるのではないかと思っています」

── 32チームが参加するワールドカップと違い、オリンピックはわずか12カ国しか出場できないため、より厳しい戦いが予想されます。河村選手はその舞台で何を見せ、何を成し遂げたいと考えていますか?

「トム(・ホーバスHC)さんに求められるハイレベルなプレーをしたいなと思っています。世界に僕の存在を見てもらいたいというより、とにかくトムさんに求められることを遂行する。トムさんが掲げる目標はまだわかりませんが、その目標に対して見合った『最高水準レベル』でプレーがしたいなと思っています」

── 河村選手にワールドカップの話を聞いていると、自身は「まだまだ課題が多い」と感じているように思えます。

「はい。課題しかないと思っています。ドイツやオーストラリアには大敗して、まったく何もできなかったという悔しい思いがありますし。オリンピックはその2チームのような高いレベルの国しかいない大会になると思っています。逆に楽しみでもあるんですけど」

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