「リアル桜木花道」と呼ばれた男が好きなのは魚住純!? 川真田紘也はバスケW杯出場後に何が変わったのか (3ページ目)

  • 青木美帆●取材・文 text by Aoki Miho

【「リアル桜木花道」が好きなキャラは――】

――滋賀レイクスの密着動画でチームメイトの柏倉哲平選手が「ワールドカップから帰ってきてすごく自信がついて変わった」と話していましたが、ご自身ではそういった変化は自覚していますか?

「うーん...どうなんですかね。僕的にはワールドカップに行ったから、めちゃくちゃ変わったとは思いませんよ。もちろん、高いレベルに触れて多少は変化したと思いますけど」

――例えば外国籍の選手とマッチアップする時に昨シーズンよりも「やったるで」みたいな意識が強くなったこともない。

「そうですね。自分がわかってないだけで、周りから見たら変化があるのかもしれないですけど、やったるぞっていう気持ちはこれまでも今季も、変わらないつもりです」

――赤い髪とプレースタイルを理由に「リアル桜木花道」というキャッチフレーズがつけられました。どう感じられていますか?

「同じセンターのゴリ(赤木剛憲、湘北高)じゃねえのかよ、とは思いました(笑)。赤髪にしたのは、実は桜木は関係なく、富樫さん(勇樹、千葉ジェッツ)や比江島さん(慎、宇都宮ブレックス)に『(日本代表のチームカラーの)赤にしろよ』みたいなことを言われたからなんですけど、自分をきっかけに少しでもバスケを見ようと思ってくれた人が増えたらいいなと日頃から思っていたので、うれしかったです」

――ちなみに『スラムダンク』の登場人物だと誰が好きですか?

「僕は魚住(純、陵南高)が好きですね」

――確かに、サイズやプレースタイル、境遇は桜木より魚住に似ていますよね。カレイのように泥にまみれてますし。

「桂剥きしてるとこっすよね。あそこめっちゃ、好きなんですよ」

――パリ五輪まで間もなく半年となり、再び代表選考レースが始まってきます。ここに向けてどのように成長していきたいですか。

「五輪まで時間がないですし、Bリーグでの試合経験がとても大事だと思っています。そういう状況の中、ケガで長くコートを離れてしまいましたが、そんなに悲観的にとらえていません。どんなに気をつけていてもケガをするときはしてしまう。今できることを全力でやろうと思って過ごしていました。外国籍の選手とマッチアップすることでまだまだ成長できると思っているし、リバウンドや得点のスタッツももっと伸ばしていけるようにしたい。とにかく全力でやるしかないです」

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前編〉〉〉「リアル桜木花道」川真田紘也インタビュー

【Profile】川真田紘也(かわまた・こうや)/1998年6月16日生まれ、徳島県出身。城南高(徳島)→天理大→佐賀バルーナーズ→滋賀レイククスターズ(現・レイクス)。中高校時代は全国大会の経験はなし。天理大では主力として活躍し、名を馳せたのは大学4年時で、インカレでは優勝することになる東海大相手に奮闘。Bリーグの佐賀と特別指定選手として契約し、卒業後の2021年に滋賀とプロ契約を果たす。2022年に日本代表候補に名を連ねると2023年2月に行なわれたワールドカップ・アジア地区ウィンドウ6のバーレーン戦で初の日本代表入り。同年夏のワールドカップ日本代表最終12名のメンバー入りし、4試合に出場を果たした。愛称は「マイキー」。

プロフィール

  • 青木美帆

    青木美帆 (あおき・みほ)

    早稲田大在学中に国内バスケットボールの取材活動を開始。雑誌『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立し、学生、Bリーグ、日本代表などを取材。著者として『青春サプリ。心が元気になる、5つの部活ストーリー』シリーズ(ポプラ社)を執筆。構成として『異なれ 東京パラリンピック車いすバスケ銀メダリストの限界を超える思考』(鳥海連志/著・ワニブックス)、『指導者と選手が一緒に学べる!バスケットボール練習メニュー200』(陸川章/監修・池田書店)、『Bリーグ超解説 リアルバスケ観戦がもっと楽しくなるTIPS50』(KADOKAWA)を担当。Xアカウント:@awokie

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