渡邊雄太の「言い訳はしない」責任感 ギャンブルに勝てずバスケW杯黒星スタート (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

【落ち込んでいる暇はない】

 日本の次戦は、8月27日のフィンランド戦となる。昨年、NBAのMIP(最優秀躍進選手賞)に輝いたラウリ・マルカネン(SF・PF/ユタ・ジャズ)を中心とするチームだ。2次ラウンドへ進出するためにもはや星は落とせず、アジア1位となるためには得失点差が関わってくる場合もある。重要な試合は続いていくということだ。

「フィンランド(世界24位)も(ドイツと)同じように強い。ただ、落ち込んでいる暇もない。しっかり休んで、切り替えて、次の試合は絶対に勝てるようにがんばります」(渡邊)

 シーズン中のそれと違って、世界最高峰の舞台の各試合の持つ意味は言うまでもなく大きい。選手たちは胃の痛くなるような思いで臨んでいるはずだ。

 ホーバスHCらが「ひとりでそこまで背負い込む必要はない」と説いても、渡邉はその痛みを感じながら、変わらず日本を引っ張る覚悟で、このワールドカップのコートに立ち続けるに違いない。

プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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