Bリーグ・ポストシーズンで注目したい3人の若き才能たち。大ケガからの復活、「関西人」、悪魔の左手...

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 7カ月間に及ぶBリーグ2021−22のレギュラーシーズンが終了し、チャンピオンシップ(CS)に出場する8チームが出揃った。昨季優勝の千葉ジェッツなど馴染みの顔ぶれが目立つ一方で、各ラウンドの勝ちあがり及びファイナルの舞台に進出するチームがどこかを予想するのは、例年以上に難しくなっている。

 現在のBリーグはベテランの見知ったメンツが主軸として活躍し、なかなか「これ」という若手選手は出てきていない。それでも、若い才能がまったく出現していないわけではない。短期決戦のポストシーズンでは、彼ら若手の勢いのあるプレーが勝負に影響するかもしれない。

 そこで今回は、今季ステップアップを果たし、まもなく開幕するCSでも勝負のカギを握る可能性のある若き才能に焦点を当ててみたい。

アルバルク東京でプレーする23歳の吉井裕鷹アルバルク東京でプレーする23歳の吉井裕鷹この記事に関連する写真を見る★大倉颯太(おおくら・そうた/千葉ジェッツ No.13)
ポイントガード/シューティングガード
1999年5月28日生まれ、石川県出身(22歳)
北陸学院高校→東海大学/185cm、83kg

 昨季2月の試合中、大倉颯太は着地の際に大ケガを負った。診断は右ひざの前十字じん帯および内側側副じん帯、半月板損傷。北陸学院高校時代から将来を嘱望されてきた若者についてのこの報は、リーグに衝撃を与えた。

 当時大学3年生で、特別指定選手としてプレーしていた大倉のケガは全治12カ月という非常に重たいもので、大学最終学年でのプレーだけでなく、彼の将来のバスケットボールキャリア自体が不安視される事態となった。

 同年10月末。男の姿は関東大学リーグのコート上にあった。予定より3カ月も早い復帰に周囲は驚きを隠せなかったが、懸命のリハビリがそれを可能にした。

 12月のインカレでチームを準優勝に導き、東海大シーガルスの青いユニフォームを脱ぐと、今度は赤いそれを身に着けた。再びジェッツへ戻ってきた。それも、今度は特別指定選手扱いではなく、プロ契約として。

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