F1新時代、2024年の焦点《中編》 角田裕毅4シーズン目で初の表彰台を掴めるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 チーム体制の強化も図られており、チームCEOとチーム代表、スポーティングディレクターといった運営面に関わる主要スタッフのみならず、実際のマシン作りに携わるスタッフの入れ換えも昨年から進んでいるといいます。

 もちろん、だからといって優勝や表彰台を期待するのは高望みです。前編で述べたとおり、トップ5チーム10台が上位を争っている状況では、入賞圏内に入ることすら容易なことではありません。

 しかし、その序列が大きく変わらなかったとしても、トップチームとのギャップが縮まることは間違いないはず。となれば、上位勢のワンミスやアルファタウリの好プレーで大きく順位が上がることもあります。

 昨年で言えば、マシン特性の合うモナコGP(第7戦)や天候の荒れたオランダGP(第14戦)で表彰台を獲得したアルピーヌのように、活躍が期待できる場所につけることができれば、角田裕毅の初表彰台の可能性も十分にあるのではないかと思います。

 アルファタウリがそのポジションにつけることと、そのチャンスが巡って来た時にしっかりと掴み獲る力は、今の角田にはあるはずです。

【5】日本初の快挙。小松礼雄ハース新代表の手腕は?

 1月10日にハースの小松礼雄エンジニアリングディレクターがチーム代表に就任すると発表されました。日本資本のチームを除けば、F1チームの代表に日本人が就任するのは初めてのことです。

 ハースは昨年、ランキング最下位の10位に終わりました。その原因がタイヤマネジメントにあったことは明白です。セットアップで対応できないほど極端にリアタイヤに厳しいマシンの問題を認めず、その改善を進めなかった開発陣に責任があったことは言うまでもありません。

 そうなってしまったのは、現場と開発陣のコミュニケーション不足が最大の原因でしょう。イギリス・バンベリーのレース部門、イタリア・マラネロのフェラーリ内にある空力開発部門、そしてパーツ製造がイタリアのダラーラ社と、活動拠点が分散しているために起きてしまったことです。

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