共同通信杯からクラシック戦線へと羽ばたくのは? 期待はスワーヴリチャード産駒の2頭 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 今回はスワーヴリチャード産駒が2頭出走を予定しているが、筆者が上に見るのがショーマンフリート(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。同馬は昨年9月、中山・芝1600mの新馬戦で3番手追走から抜け出し、2着以下に2馬身半差をつけて快勝。続く前走のGⅢシンザン記念(京都・芝1600m)は5着だった。

 新馬戦は1000m通過が60秒5と1600mにしてはスローペースで、距離が延びても問題なさそうな走りを見せていた。前走のシンザン記念は約4カ月ぶりの実戦で体重は18kg増と余裕のある仕上げで、外めの16番枠だったこともあり外を回るロスがあったのに加え、1000m通過58秒4と新馬戦よりハイペースだったこともあり、流れに乗れていない感もあった。ひと叩きして展開も変われば勝ち負けできるはずだ。

 母の父シユーニは、昨年のGⅢ京都2歳S(京都・芝2000m)を勝ったシンエンペラーの父としても注目を集めており、その父ピヴォタルは2020年のこのレースの勝ち馬ダーリントンホールの母の父でもある。父系のみならず、母系の血もこのレースと縁があるということで、勝利に期待したい。

 もう1頭も、スワーヴリチャード産駒のパワーホール(牡3歳、栗東・昆貢厩舎)を推す。同馬はGⅢ札幌2歳S(札幌・芝1800m)で2着に入った実績馬。前走の京都2歳Sは12着で、それ以来約3カ月ぶりの出走となる。

 おばには、GⅡフローラS(東京・芝2000m)勝ち馬のミッドサマーフェア、昨年のGⅢターコイズS(中山・芝1600m)を勝ったフィアスプライドがいるなど活気がある牝系だ。ちなみに、馬主のNICKSは父スワーヴリチャードの馬主でもあり、同馬主による父仔制覇に期待する。

 以上、今年の共同通信杯は、スワーヴリチャード産駒の2頭、ショーマンフリート、パワーホールの2頭に注目したい。

プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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