チャンピオンズCに強いキングカメハメハ産駒は今回も信用できる? レースを血統で分析 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 血統を見ると、母ベットーレが伊GⅢカルロキエーザ賞(カパネッレ・芝1200m)の勝ち馬。最近は母が海外GⅠ馬という馬が増えているので特筆すべき良血ではないが、配合が凝っており、名牝セックスアピールの5×4のクロスを持っている。このクロスは、ロードカナロア産駒アーモンドアイも6×3、ドゥラメンテ産駒リバティアイランドも6×5で持っているクロスであり、キングカメハメハ系の成功パターン。さらに、リバティアイランドとは母系のレッドランサムやミスタープロスペクターの血も共通している"旬"の配合だ。

 ちなみに、前述の過去にこのレースを勝ったキングカメハメハ産駒4頭は、いずれも本馬と同じ5歳時に勝利している。ベルシャザールとジュンライトボルトは5歳になって本格化し、重賞初制覇、このレースでGⅠ初制覇と成長過程も似ている。チュウワウィザードと同じ大久保龍志厩舎というのも心強いデータだ。

 もう1頭はドゥラエレーデ(牡3歳、栗東・池添学厩舎)を狙いたい。父ドゥラメンテは、リバティアイランドやタイトルホルダーなど、芝中長距離ホースの父として名を馳せている。先週のGⅠジャパンC(東京・芝2400m)でも2着リバティアイランド、3着スターズオンアース、5着タイトルホルダーと、出走した3頭すべてが入着して存在感を示した。ダートでも、昨年と今年のJBCレディスクラシックをヴァレーデラルナ、アイコンテーラーで連覇するなど、適性の高さを示している。

 今回はアイコンテーラーも出走を予定しているが、ドゥラエレーデは母の父がオルフェーヴルというのがポイント。オルフェーヴルは今年のGⅠドバイワールドC(メイダン・ダート2000m)を勝ったウシュバテソーロ、2021年の米GⅠBCディスタフ(デルマー・ダート1800m)を勝ったマルシュロレーヌを出すなど、最近はダートでの実績が目覚ましい。

ドゥラエレーデ自身もダート1700m戦で初勝利を飾り、ダート1900mのGⅡUAEダービーで2着と、すでにダートで高い適性を示している。ダートはまだ2戦で1勝、2着1回と"底"を見せていないのも魅力だ。

 以上、今年のチャンピオンズCは、キングカメハメハ産駒グロリアムンディ、ドゥラメンテ産駒ドゥラエレーデの2頭に期待する。

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