3歳牝馬戦線がわかる識者選定ランキング。リバティアイランドの「1強」状態のままクラシックに突入するのか (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

この記事に関連する写真を見る 堂々の1位は、阪神JFを勝ってJRA賞最優秀2歳牝馬にも選出されたリバティアイランド。準満票の24ポイントを獲得し、牝馬クラシックの最有力候補であることは間違いない。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「胴長+脚長で前後&上下のバランスもよく、少し硬めでもクッションのあるつなぎは長く、ストライドが稼げる走法。ここまで3戦のパドックでも、高い集中力でしっかりと歩けており、精神年齢が高い点も強調材料です。

 GIIIアルテミスS(10月29日/東京・芝1600m)では断然人気の宿命か、ライバルの徹底マークにあって、脚を余して2着惜敗。それでも、最後にコンマ1秒差まで追い詰めた末脚は、勝ち馬ラヴェルよりスケールが上であることの証明でしょう。

 そして、この馬の強さを再確認できたのが、阪神JF。前半3ハロン33秒7-4ハロン45秒2というハイラップのなか、中団の外目で手応えよく追走し、最後の直線でも坂下からギアを上げていくと、坂上でも大きい完歩で脚勢が鈍ることはありませんでした。そのまま、最後は流して1分33秒1の好タイムで勝利。申し分ない結果を残しました。

 同じ舞台で行なわれた翌週のGI朝日杯フューチュリティSは、前半3ハロン34秒1-4ハロン45秒7のラップで、勝ち馬の走破時計は1分33秒9。馬場状態を加味しても、このコンマ8秒差はポテンシャルの違いと判断していいでしょう。

 つまり、この馬の完成度は牡馬クラシックに挑んでも面白いのでは? と思えるレベル。主戦の川田将雅騎手のコメントなどからも、同馬への期待値はかなり高く、近年の名牝と比べても五分以上の戦績を残す逸材だと見ています」

伊吹雅也氏(競馬評論家)
「1月29日終了時点の本賞金は8400万円。一走あたりの賞金は2800万円で、いずれの数字もJRAに所属する現3歳世代の牝馬としては単独トップです。サンデーサラブレッドクラブの所属馬で、募集総額は4000万円。すでに、2倍以上の金額を獲得したということになります。

 母のヤンキーローズは、現役時代にオーストラリアのGIを2勝している実績馬。初仔のロムネヤ(牝4歳/父ディープインパクト)もデビュー戦を勝っていましたし、もともと繁殖牝馬としてのポテンシャルも高かったのでしょう。

 ちなみに、JRAのレースにおける現3歳世代の種牡馬別勝利数を見ると、同馬の父ドゥラメンテ(29勝)はエピファネイア(39勝)に次ぐ単独2位。勝率(15.9%)では、エピファネイア(13.0%)を上回っています。

 2つ下の現1歳世代がラストクロップとなるものの、単複の回収率が非常に高いコースも多く、その優秀さに評価が追いついていない印象です。代表産駒の座も狙えそうなリバティアイランドからは目が離せません」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る