有馬記念で勝つのはどの馬か。識者5人が現時点で選んだ「ベスト3」 (2ページ目)

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坂本達洋記者(スポーツ報知)

1位=タイトルホルダー
2位=イクイノックス
3位=ジャスティンパレス

 タイトルホルダーは、現役トップクラスの実績と能力を誇り、グランプリホースの最右翼と言えます。同じ舞台で行なわれた今春のGII日経賞(3月26日)を制するなど、距離、条件はぴったり。持ち前の先行力を生かして、計3勝を挙げている"中山巧者"なのは頼もしい限りです。

 唯一の不安材料は、海外遠征だった前走の凱旋門賞(11着)のダメージですが、横山和生騎手が1週前追い切りに騎乗した時点で、「うまく折り合いはついていた。(いつもと)遜色はないのかな」と語っており、順調に仕上がってきている様子。本来の力を発揮できれば、勝利に一番近い存在でしょう。

 デビュー以来、オール連対を果たしており、まだまだ底を見せていないイクイノックスは、初の古馬との対戦となった前走の天皇賞・秋で、メンバー最速の上がり32秒7という豪脚を披露。一瞬のキレ味というよりも、後方から長くトップスピードを発揮してのもので、持久力が要求されるコーナー6つの中山コースでも、他馬をねじ伏せるイメージが湧きます。

 課題と見られている初距離の芝2500mに関しても、折り合いに不安はなく、このレースで有終の美を飾っている父キタサンブラックという血統背景からも、こなせると見ます。

 一発逆転があるとすれば、GI菊花賞(10月23日/阪神・芝3000m)3着のジャスティンパレス(牡3歳)。勝負どころで包まれて動けない場面がありながら、最後まで上位2頭に迫った脚は、優れたスピードとスタミナの証明。今回は、ある程度前目の好位で運ぶイメージで、トム・マーカンド騎手へのスイッチも魅力的に映ります。


木村拓人記者(デイリー馬三郎)

1位=イクイノックス
2位=ヴェラアズール
3位=ボルドグフーシュ

 イクイノックスについては、今回が初めての距離になりますが、これまでの競馬や血統、走法などを総合的に見て、距離不問だと思っていて、仮に天皇賞・秋ではなく、菊花賞に出ていたとしても、本命にしたいと考えたはず。中山コースも、皐月賞で敗れたとはいえ、僅差の2着でした。

 脚力から見ても、むしろこの舞台はこの馬におあつらえ向き。一番勝ち負けに近いと思います。

 ヴェラアズールは、目下の充実ぶりが目覚ましいですね。実は、タイプとしては東京よりも中山向き。ジャパンCより、有馬記念向きだと思っていました。

 ジャパンCでの勝ち方が余りにも鮮やかすぎたので、中山には向かないように見えますが、本来はああいうキレ味鋭い馬ではないと思っています。長くいい脚を使える馬で、中山・芝2500mでさらに上のパフォーマンスを見せてくれることを期待しています。

 ボルドグフーシュ(牡3歳)は、距離が伸びれば伸びるほどいいタイプ。タイトルホルダーが出走するレースは得てしてスタミナ勝負になる傾向が強いですから、早めのスパートで持久力が生きる展開になれば、菊花賞の走りからも一発はあると思います。

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