【競馬】スプリングSで「打倒・ロゴタイプ」を果たす馬はいるのか (2ページ目)
さて、このレースの「ヒモ穴馬」ですが、京成杯(1月21日/中山・芝2000m)のときにも取り上げた、マイネルストラーノ(牡3歳)を改めて指名したいと思います(※『京成杯は「大駆け」血統のマイネルストラーノが狙い目』1月12日配信)。
京成杯は、当初1月14日の開催予定でした。それが、雪の影響で中止となって、翌週に延期。1週間後のレースでは、マイネルストラーノは8着に終わってしまいました。しかし、その敗戦はまったく気にしなくていいと思っています。
というのも、ニュースでご存知の方も多いと思いますが、中止になった京成杯当日、出走馬はすでに競馬場までやって来ていて、中止になったことでレースを使わずにそのままトレセンに戻らなければなりませんでした。後半のレースに出走を予定していたほとんどの馬は、高速道路が雪で閉鎖されたあとに競馬場を出発したそうで、最終レースを使う予定だった馬などは、トレセンに戻ってきたときはすでに日付が変わっていたと聞いています。馬にもよりますが、そうした状況を経て翌週のレースで力を発揮するのは、やはり酷なこと。マイネルストラーノが不発に終わったことも仕方がありません。
実際、その京成杯後に出走した共同通信杯(2月10日/東京・芝1800m)では、3着と好走。それが、マイネルストラーノの本来の姿だと思います。そしてその際も、1着メイケイペガスター、2着ゴットフリートで、3連単は7万円を越える高配当でしたが(※『共同通信杯で爆発か!? メイケイペガスターの秘めた末脚』2月9日配信)、この馬のいいところは好走しても人気にならないところで、今回も配当的な妙味があるのではないでしょうか。
京成杯時のコラムでも触れたとおり、昨年末のホープフルS(12月23日/中山・芝2000m)では、先日の弥生賞を勝ったカミノタサハラ(牡3歳)の追撃をしのいでの2着。スタートしてスッと好位をとって2番手を追走し、直線では自ら仕掛けて勝ちにいくレースぶりは、勝利に等しい内容でした。前走の共同通信杯もまた、同様の形で3着を確保しています。展開がはまっての好走ではなく、自分で競馬を作っての成績なので、これらの結果は十分に評価していいと思います。
鞍上は、主戦だった柴田大知騎手がマイネルホウオウ(牡3歳)に騎乗予定のため、津村明秀騎手に替わりますが、マイネルストラーノは気性に問題があるタイプではないので、心配する必要はありません。ちなみに、津村騎手は先日結婚式を挙げたばかりだそうです。ぜひとも重賞を制して、自ら祝い事に花を添えてほしいと思います。
プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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