「オールスター戦のようだった」アギーレJの初戦

  • photo by Sueishi Naoyoshi

名波浩の視点

 新たな指揮官としてアギーレ監督を迎えた新生・日本代表が始動。初陣となったウルグアイ戦は0-2で敗れた。

 率直な感想を言えば、戦術うんぬんは関係なく、寄せ集めの選手でとりあえず試合をやってみたら、うまくいかなかった、という感じ。スター選手をひと目見ようというファンが集まったかのようなスタジアムの雰囲気もあって、まるでオールスター戦のようだった。アギーレ監督のサッカーの教科書があって、それが100ページあるとしたら、まだ1ページ目の前、目次を見ているようなものだったと思う。

ウルグアイの素早い対応の前に、なかなかいい形を作れなかった日本。ウルグアイの素早い対応の前に、なかなかいい形を作れなかった日本。 4-3-3というシステムを採用し、おそらくゴールキックやスローイングなどでプレイが止まった際には、そのスターティングポジションには戻りましょう、ということだけは指示されていたかもしれない。しかし、それ以外はすべてにおいて、はっきりした意図を選手たちには伝えていなかったのではないだろうか。つまり、アギーレ監督がどういうサッカーをやりたいのか、選手たちはそのイメージさえまったく持っていなかったと思う。

 そのうえで、先発には初代表の選手がふたりいて、なおかつ何人かの選手は所属クラブとは違うポジションに配置された。意思の疎通を欠いたプレイが多かったのは、そのためだろう。また、試合前の会見では「全体を40m以内にコンパクトに保って戦いたい」とアギーレ監督は語っていたけれども、その割には選手ひとりひとりが孤立していた。ゆえに、どこからボールを奪いに行くのかも曖昧で、テンポのいい攻撃も見られなかった。

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