遠藤航のリバプールは決勝進出が見えた CL、ELのベスト8以降の組み合わせ決定 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【人気2番手アーセナルは茨の道】

 一方、アーセナル対バイエルンは2016-17シーズン以来、7シーズンぶりの対戦となる。前者に比べると新鮮な戦いだ。過去3シーズン連続ベスト8に進出しているバイエルンは、まさしく高位安定型のチームだが、優勝するには何かが足りない印象。プラスアルファの力がほしい。頼みの綱はハリー・ケインのシュート力だ。

 CLをまだ1度も制したことがないアーセナル。クラブとしての経験値の低さが最大の弱みだ。昨季はマンチェスター・シティが初優勝。欧州サッカー界に潜む"順番論"からすれば、いつ優勝してもおかしくないが、今回はクジ運には恵まれなかった。初優勝には茨の道が待ち受けている。

 受けて立つのは2番人気のアーセナルか。クラブの格でアーセナルを上回る4番人気のバイエルンか。見どころはここになる。
 
 下馬評の低い残りの4チームは、決勝進出のチャンス到来とばかりいまごろ密かにチャレンジ精神を漲らせているだろう。アトレティコとドルトムントは伏兵という立ち位置がよく似合うが、PSG、バルセロナはそこまで割り切れるだろうか。

 バルサが最後にCLを制した2014-15シーズン、当時の監督は現PSG監督のルイス・エンリケだった。因縁を感じる。バルサは以降9シーズン、欧州一の座から遠のいている。欧州クラブランキングは12位まで後退。同チームがトップ10から陥落したのは1977年以来、実に47年ぶりの出来事になる。

 その自覚がどこまであるか。現在3位につけるスペインリーグの成績を見る限り、凋落ぶりが明らかとは言えないが、視点を欧州に広げるとそれは顕著になる。8チーム中6番人気という下馬評を見て、チャレンジャーになりきることができるか。PSGも金満クラブながら、今季はリオネル・メッシもネイマールもいない。背負うものは少ない。PSGにチャレンジャーとして向かってこられると、バルサは危ない。
 
ヨーロッパリーグで優勝を目指すリバプールの遠藤航 photo by James Gill-Danehouse/Getty Imageヨーロッパリーグで優勝を目指すリバプールの遠藤航 photo by James Gill-Danehouse/Getty Imageこの記事に関連する写真を見る○EL
準々決勝
ミラン(3)対ローマ(6)
リバプール(1)対アタランタ(5)
レバークーゼン(2)対ウェストハム(4)
ベンフィカ(8)対マルセイユ(7)

準決勝
ベンフィカ×マルセイユの勝者対リバプール×アタランタの勝者
ミラン×ローマの勝者対レバークーゼン×ウェストハムの勝者
(カッコ内の数字はブックメーカー各社による下馬評の順位)

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