遠藤航、日本サッカー史上最高位へ リバプールの中心となりELベスト8進出 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【スタメン回避と思われた遠藤だが...】

 スポルティングはアウェーで行なわれた第2戦で、いったん合計スコアを2-1としたが、そこから2ゴールを奪われて逆転負け。守田はベンチ外で地団駄を踏むことになった。

 伊東純也が招集外となり、北朝鮮戦でスタメン出場の可能性が高まっている堂安は、ウェストハム戦に先発フル出場を果たした。だが相手が強すぎた。第1戦(1-0)のアドバンテージは開始早々に失われ、前半を終了した時点で0-3と一方的な展開となった。プレミアリーグの7位チームとブンデスリーガの8位チームの対戦は、合計スコア5-1という大差がついた。それぞれのリーグのレベル差を痛感させられる一戦だった。

 選手の質にもそれは見て取れた。残念ながら堂安は、相手の両ウイング、モハメド・クドゥズ(ガーナ代表)、ジャロッド・ボーエン(イングランド代表)と比較すると見劣りした。縦への推進力、躍動感、突破力等々、アタッカーとしてのスケール感で遅れを取った。内へ誘い込まれていく方向性の悪いドリブルをするか、可能性の低いクロスボールを上げるか。プレーの選択肢は概ねこのふたつに限られた。

 ウイングが驚きのあるプレーを見せると、自軍は活気づき、相手は慌てる。そのドリブル&フェイントには、チームに精神的なノリをもたらす起爆剤としての力がある。クドゥス、ボーエンにあって堂安に欠けるものだった。採点するならば最大でも10段階で5.5となる。

 リバプールの遠藤は初戦に続き先発を飾った。相手は第1戦のアウェー戦に5-1で勝利したスパルタ・プラハだ。3日後に行なわれるマンチェスター・ユナイテッド戦(FAカップ)に備え、休ませるのではないか。少なくともスタメンは回避するのではないかと思われた。

 5-1で勝利したスパルタ・プラハとの初戦もそうだった。3日後にはマンチェスター・シティとの首位攻防戦が控えていた。選手をローテーションで回すことがビッグクラブの常識になっているいま、出場時間が嵩んでいた遠藤はその対象になる選手だと思われた。

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