《独占》引退を発表した岡崎慎司が今の海外組に思うこと「勘違いせず、がんばるべき。周りもちゃんと評価してほしい」 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

 ヨーロッパのクラブがなにを考えているかと言えば、若い日本人選手を獲得して失敗しても、最悪の場合はもう一度日本のクラブに売ればいいっていうこと。日本から若くていい選手を獲得すること自体、あまりリスクがないと思っているんです。

 一方、日本のクラブは若くして海外経験を積んできた選手になら、5000万円とか1億円とか払っちゃうと思う。だから、そういうマーケットも含めて戦えるクラブが日本には必要ですよね」

── 競争力が必要、ということですね。

「あと日本だと、獲得する選手に対して『君がほしい』ってクラブ側が下手に出る傾向にあると思います。若手が勘違いする環境も確実にあるので、そこからメンタルを変えるのはなかなか難しい。一旦、勘違いしてしまった選手がわずか1〜2年で使われないようになって、次にJ3やJFLのクラブに行った時、彼らが『ここで結果を出して上に行くんだ』と本気で思えるかどうか。

 一方、高校から大学に進学し、『卒業後にプロになる』と決意して4年間やってきた選手と同じリーグで戦うようになった時、メンタルでどっちが強いか。最初から大学に行った選手のほうが強いんじゃないかと思ったりしますね。とはいえ、高校卒業時点でプロになれる選手だったら、僕はなるべきだとは思うんですけど。そのうえで勘違いせず、がんばるべきだと言いたい」

── 高校卒業後に日本でプロになるのも、海外でチャレンジするのも、どちらもスタート地点に立っただけ。若手が出場機会を得て成功を掴むのは簡単なことではないですね。

「何度もいろんな人がトライしてきたと聞きますけど、日本にはU-21やU-23のリーグや公式戦の場がどうしても必要だと思います。練習試合を組むだけでなくて、公式戦でスカウトも見にくるような流れにすれば、出場機会のない選手にも刺激が入るのかなと。

 僕、ケガしているから、そんなことばっかり考えちゃいます。試合に出られてない選手のことを考えると、どうしてもかわいそうって思っちゃって」

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