鎌田大地「常にこういう舞台で試合に出続けたい」。初のCL決勝トーナメントで感じたブンデスリーガとの大きな差 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

【ブンデスでは通用するのに...】

 試合序盤はフランクフルトのペースで進んだ。ボールも握れたし、仮に攻められても耐えきればどこかでワンチャンスあるかもしれないと思わせた。だが、そうはいかなかった。

 鎌田はボランチで出場し、攻守に奮闘した。この日フランクフルト唯一の枠内シュートを放った。だが、当然ながら、口は重い。

「うーん、やっぱり自分たちは常にCL常連じゃないクラブで、イタリアで常にいい成績を残しているクラブとは、その少しの差はこういう試合では(結果に明らかに)出るなと思いましたね」

 あくまで自分たちとナポリとの差は「少しの差」と表現した。

 39分、ハーフウェーラインを越えて攻撃を始めようとしたマリオ・ゲッツェのパスが相手にわたり、高速カウンターを食らって失点に直結した。その4分前に与えたPKは、シュートがポストに当たって跳ね返ったボールに反応したヴィクター・オシムヘンに、アウレリオ・ブタの対応が遅れて足を蹴ってしまったものだった。結果的にGKケビン・トラップがセーブし得点を与えなかったものの、不用意なファウルは簡単に決定機につながった。

「パスを出す選手たちはみんなクオリティがあるので、(パスカットが)起こり得るのは試合前から分析していた。ワンタッチで狙っているのをわかっていながら失点してしまったので、そういう部分が大きな差なのかなと思います」

 ブンデスでは通用しているプレーと何かが違った、と言わざるを得ない。

 最大の決定機は81分、カウンターから鎌田が右サイドに展開し、アンスガー・クナウフからのリターンを受けてシュートを放ったシーンだ。この日チーム唯一の枠内シュートは、残念ながらGKの正面に飛んだ。

「個人的には別に悪くはなかったと思いますけど、うーん、もっとできるようになれたらいいなと。常にこういう舞台で試合に出続けたいなと思いました。

(向上したいのは)全部ですかね。守備も、攻撃も。守備に追われる時間帯が多かったりするので仕方ない部分もあるんですけど、全体的にもっとできるようになればいいなと思いますね」

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