鎌田大地、長谷部誠が挑むCL16強の戦い。決勝トーナメントで得点した日本人や頂点に最も近づいたのは誰か? (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AP/AFLO

【惜しかった香川真司と宇佐美貴史】

 CL決勝の直後に行なわれた南アフリカW杯本大会で、本田が岡田監督から0トップに抜擢され、2ゴール1アシストの大活躍を演じたことは記憶に新しい。本田のセビージャ戦のゴールなくして、日本の南アフリカW杯ベスト16はなかったと断言できる。

 本田はVVVフェンロ(オランダ)から、冬の移籍市場でCSKAに加わったばかりだった。移籍の話がまとまろうとしていた時、CSKAはCLのグループリーグで最下位に甘んじていた。長谷部が所属していたヴォルフスブルクは2位以内を維持していた。ところが、最後の2試合をCSKAが2連勝したのに対し、ヴォルフスブルクは2連敗。両者の順位は最後に入れ替わった。そのタイミングでCSKAの一員になった本田のCL決勝トーナメント出場は、"棚からぼたもち"そのものだった。

 長谷部は逆だった。一流の証拠であるベスト16の勲章は、最後の段でこぼれていった。その時、長谷部はリベンジの機会が13年後に訪れようとは夢にも思わなかったはずだ。

 一方の鎌田には、ゴールへの期待がかかる。日本人として奥寺、本田に続く13年ぶりとなる3点目のゴールを挙げることができるか。

 だが、英国ブックメーカー各社の優勝予想でフランクフルトは16チーム中最下位に甘んじている。片や対戦相手のナポリは4番手だ。マンチェスター・シティ、バイエルン、パリ・サンジェルマンに次ぐ存在である。ディエゴ・マラドーナが在籍した当時のナポリに迫るような高評価を博している。

 監督はルチアーノ・スパレッティ。イタリアにあっては攻撃的なサッカーを標榜する監督として知られるばかりか、「0トップ」を発明したアイディアマンとしても知られる。2010年W杯に臨んだ岡田ジャパンを語る時、スパレッティも外すことができない人物なのだ。因果は巡る。筆者が日本代表監督選びで中心的な役割を果たす技術委員長なら、真っ先に声をかけたくなる監督のひとりである。

 ちなみにCL準々決勝をプレーした選手は奥寺、岡崎、本田、長友、内田の5人。2010-11シーズンには内田のシャルケと、長友のインテルが直接対決している。勝利を収めベスト4入りした内田は、奥寺とともに日本人選手として最高位を極めた選手になる。

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