ポスト・ロナウド&メッシにまさかの伏兵が名乗り!? CLで爆発、見逃せないストライカーたち (2ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 190cmの長身と強い身体、確かな技術を兼ね備え、多彩な得点パターンから冷静に決める。両足、頭はもちろん、ベシクタシュ戦では、元ブラジル代表ライーが1992年のトヨタカップで決めたような、太ももで押し込んだ形まで。大柄な体躯を生かしつつ、それだけに頼らないスタイルは、彼が憧れた選手の影響もありそうだ。

「ズラタン・イブラヒモビッチやティエリ・アンリ、ディディエ・ドログバら、常に学びを得られるストライカーはいる」とハラーはオランダメディアに話した。「それから、レアル・マドリード時代のラウールもよく観ていた。実は彼のシャツを持っているんだ。ラウールは速くなかったし、アンリのような運動能力も持っていなかったが、優れたテクニックがあった。エレガントな動きで、常に最適な場所にいたよね」

 ハラーを1点差で追うのが、バイエルン(ドイツ)のロベルト・レバンドフスキと、リバプール(イングランド)のモハメド・サラーだ。

 33歳の前者は過去6シーズン、全公式戦を通じて少なくとも毎年40ゴールを挙げている世界最高級のゴールハンターだ。一昨季にはCLで15得点をマークして、バイエルンの6度目の欧州制覇に貢献し、昨季はブンデスリーガで41得点を重ねてゲルト・ミュラーの記録を更新。ここ2シーズンの総得点で言えば、リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドをも凌いでいる。

 コンプリート・ストライカー──このポーランド代表FWを形容する際に、頻繁に使われる言葉だ。185cmの均整の取れた体は、栄養士の妻の助けもあって、当たりにも怪我にも強い。地上、空中どちらも得意とし、公には右利きとされるが、左足もほぼ同じように使える。ボックス内から面白いようにゴールを決める一方、直接FKを突き刺すことも。

 また16歳の時に父親を亡くし、その後故郷のクラブから放出されながら、ここまでの実績を積んでいるように、メンタルもタフに違いない。

 そんな隙のない完璧な点取り屋は今シーズンも、当たり前のようにネットを揺らし続けている。初戦のバルセロナ戦でクラブ記録の18試合連続得点をマークすると、その記録はブンデスリーガ第5節に19まで更新。同第6節に20試合ぶりに無得点に終わったものの、CLでは以降の2試合でもゴールしている。この年齢にして、ますます決定力に磨きをかけている印象だ。

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