「ジダン祭り」は終わった。CL8強進出のレアルに見えた弱点
レアル・マドリードの監督に就任して2カ月が経ったジネディーヌ・ジダンの置かれた状況を、その比喩はよく表していた。
<ジダンの祭りは終わった。これから日常が始まる>
サンティアゴ・ベルナベウの観客は、かつての英雄がベンチに戻ってきただけで、目を輝かせた。選手たちはヒーローの指示に耳を傾け、積極的に従った。大量得点で試合に勝つことにより、チームの雰囲気は大幅に改善された。
しかしジダンが変えたのは、ほとんどメンタリティの部分だけである。
「戦術的にはまるで物足りない」
第26節、ベルナベウにアトレティコ・マドリードを迎え、ディエゴ・シメオネの采配になすすべなく敗れると、途端に采配に不信感が募った。以来、魔法は解けた。祭りは終わり、日常が始まる。日常とは、勝敗がすべての修羅の道である。
ローマ戦で戦況を見つめるジダン監督 3月8日、サンティアゴ・ベルナベウ。チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦、レアル・マドリードはローマとの第2レグにベスト8をかけて臨んだ。アウェーの第1レグでは0-2と勝利していたが、ジダン監督は慎重だった。昨季、レアル・マドリードはシャルケに第1戦で大量リードしながら、ホームで気の緩みが出て危うく逆転負けするところだったからだ。
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