イタリア人記者が内情を書く。「本田圭佑がミランを去る時がきた」 (2ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ミランはこの夏、選手補強に大金をつぎ込み、バッカ、ルイス・アドリアーノ、ロマニョーリを獲得したが、その効果はほとんど見られない。スクデットはこの時点ですでに失っているも同然だし、ヨーロッパカップ出場圏内入りも、よほど楽観的な者でなければ信じないだろう。失敗は明らかだ。そのことは本人たちが一番わかっているのに、そこを突かれたらいい気持ちしはしない。

 公表はされていないが、本田は非難されただけでなく、重い罰金を課せられ、一足飛びにブラックリスト入りしたと見られている。

 またミハイロビッチは、多少の個人的な報復とほかの選手たちへの見せしめを兼ねて、本田を最後の数分だけ、いるかいないかもわからないような使い方を続けている。これは真実を暴露した者の運命だ。ミランでは、負けた時にも「我々は勝つべきプレーをしたというのに、残念だ」と言わないと、こういう仕打ちを受けるのだ。

 ではどうしたらいい? 本田は今、ほぼ控えの選手だ。誰より頑張って練習しても、ほとんど使ってもらえない。マスコミは本田の言ったことは重々承知しているし、「金を使わなければ勝てない」というロジックもわかっている。しかしわからないのは、なぜチームの旗印でもない、そして今後も決して旗印にはなれない選手の口から、この発言がなされたのかということだ。

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