走らないと勝てない。香川真司とドルトムントの現状 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 その一方でパスに関するデータはドルトムントが圧倒的に上回っていた。単純なパス本数では106対388と4倍近い差が出ている。パス成功率はハンブルガーSVの40.53%に対しドルトムントは75.34%。ボール支配率は36.44% 対63.56%と、完全にドルトムントが試合を支配していた。

 ちなみにツヴァイカンプフと呼ばれる1対1の競り合いの勝率も45.86対54.14とドルトムントが上回った一方で、ファウル数ではハンブルガーSVがドルトムントの倍の28という数字を出している。シュート数は4対12。ドルトムントは1対1では勝てていたし、試合を通して攻めていたということだ。

 試合もボールも支配しながら、勝ちきれなかったドルトムント。走って守ろうとする相手を崩しきれなかったのは事実である。

 試合後のクロップは「ケガ人が出なかったのはスーパーポジティブ」と振り返った。このところ再び負傷者が増えており、MFシャヒンやクーバ(ブワシュチコフスキー)が戦列を離脱してしまった。ドレスデンとのドイツ杯ではMFロイスにもひやりとするシーンがあったことも念頭にあったのだろう。

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