【イングランド】マンU敗北。ルーニー復活で見えた香川真司の新境地 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 マンUは後半開始と同時に、この日はほとんど動きのなかったギグスに替わってルーニーを投入する。ファン・ペルシーと2トップを組み、香川は左MFに回った。これでチームが生き返った。

 ルーニーのクオリティは攻守に高く、香川にもタイミングよくボールが入ってくる。周囲がこの4-4-2に慣れていることと、プレッシャーが減ったことにより、香川は左から中央へ入る、そしてまた中央から外に開くと、比較的自由にプレイするようになる。

 ゴールを決めた後の後半14分には、左サイドにいた香川はサイドチェンジのボールを胸トラップでコントロール、ドリブルを仕掛けて倒されるが、ファウルを取ることはできない。その2分後にはスコールズからの縦パスを受けてペナルティアーク付近で仕掛け、今度はファウルを得る。ルーニーが放った強烈なフリーキックは惜しくも左ポストを叩いた。

 79分に交代するまで、後半の香川は比較的生き生きとプレイしていた。前半は消えかかったファン・ペルシーも、ルーニーとプレイすることで蘇った。

 結局スコアはその後も動かず、マンUにとっては手痛いホームでの敗戦となった。だがこれでルーニーが負傷から本格復帰。今後、香川はファン・ペルシー、そしてルーニーとの共存を図っていくことになる。ルーニーがいることで、ファン・ペルシーと香川が生きることはこの日の後半の2得点でも明らかだった。

 香川もトップ下に固執する必要はなく、左サイドでも新境地を見せることができるかもしれない。この日のゴールはそんなことを予感させた。


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