川島永嗣41歳、体の衰えはなし でも後輩には「動けていなかった時には、遠慮なく言ってね」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【ひとりのトレーニングでは考える力を養えた】

── ひとりでトレーニングをしていると、モチベーションを維持するのは決して容易ではなかったのでは。

「たしかに休もうと思えば、いくらでも休めますからね。でも、自分が溜めてきたものを表現するには、常に自分がいい状態でいなければ、新たなチームが決まった時にプレーすることができないわけですからね。

 もちろん、メンタル的な浮き沈みは多少ありましたけど、自分の目的意識がブレたことはなかったです。それに無所属の期間を過ごしたのも、これが初めてではなく、2015年も経験していましたし、2016年もメスに決まるまでは同様でした。2018年のワールドカップのあとも所属先が決まるまで時間がかかりましたし、そうした経験や免疫ができていたことも大きかったかもしれません」

── 具体的にどのようなトレーニングをしていたのでしょうか?

「ひとりでトレーニングするのは決して簡単ではないですけど、それをどう工夫していくか、どう消化していくか、考える力を養うことにもつながりました。

 フィジカルコーチと一緒に練習するようになってからは、ある程度、自分のやりたいことを要求できるようになりましたけど、ひとりで取り組んでいた期間もありましたから。それこそ、ひとりでシュートをイメージして飛んだりもしていましたよ。

 実践とはかけ離れているかもしれませんし、ボールを蹴ってもらえるのが一番いいとは思いますけど、置かれた環境で工夫する。プレーする先が決まったらすぐに試合ができるように、コンディションを維持するために、どれだけのプロセスを自分が踏まなければいけないのかは、常に意識していました」

── 3月には誕生日を迎えて41歳になりました。年齢による変化は感じていますか?

「感じないですね」

── それは頼もしいですね。

「ただ後輩には、自分が感じていることとギャップがあったら言ってほしい、とは伝えてはいます。自分が元気に動けていると思っていても、動けていなかった時には遠慮なく言ってねって(笑)」

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