現役のサッカー日本代表・森下龍矢がセカンドキャリアに興味津々!? 大学時代には就活を経験 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Maskai

 もちろん、セカンドキャリアを考えている=サッカーと真剣に向き合っていない、ということではない。

 実際、森下は「常々言っていることだが、海外志向はある」と話し、海外移籍の意思があることも隠そうとしないが、それはサッカー選手として貪欲に高みを目指しているがゆえのことだ。

「点を決めた瞬間とか、相手を打ち負かした瞬間とかに、僕は何とも言えないエモーショナルな気持ちになるんです。あとで(自分のゴールシーンの)映像を見て、『オレ、こんなシュートを打ってたんだ』みたいになることがよくあるんですけど、そうやって記憶がなくなるぐらいのエモーションをサッカーには求め続けています」

 アスリートのセカンドキャリア――。その言葉には、競技を続けられなくなった時のための保険であるかのような、どこかネガティブな響きがある。

 だが、現役中にセカンドキャリアを考えることは、決して悪いことではなく、森下の表現を繰り返せば、「暇な時にYouTubeやInstagramを見るのと同じ」ことなのだ。

 事実、森下は楽しげに自身の未来について話しながら、まもなく日本代表の一員として元日の国際試合に臨もうとしている。「日本代表に(大学時代に)就活してた選手なんていないでしょうね」と笑う森下は、どこか誇らしげでもある。

 彼のような選手が増えることが、セカンドキャリアの概念を変えるはず。ひいてはアスリートの価値を高めてくれるはずである。

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