大迫勇也はなぜボールが収まるのか ハンパなかった今シーズンを鄭大世が解説 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【ポジショニングセンスとボールコントロール】

 ポストプレーは味方がボールを蹴る前のポジショニングで勝負が決まるんですが、その受ける動き、タイミングも大迫選手はレベルが高いんですよね。

 まずポストプレーは味方がボールを蹴る瞬間に、スペースとDFの間に入って相手を背負いながら掴みに行くことが大事になります。

 そこで相手が自分よりも前にいたら絶対に勝てないし、無理に行こうとすればファールになってしまいます。逆に前へ早く入りすぎると相手に身体をぶつけられてしまったり、DFが背後から自分の前へ出る動きに気がつかなかったりして、ボールを取られやすくなってしまう。

 どれだけ相手に気づかれないタイミングで、前にスッと入ることができるか。彼はそのポジショニングセンスが抜群なので、タイミングよく相手の前に入って、ボールを相手から隠しながら収めることができます。

 それからもう一つ忘れてはいけないテクニックが、ボールを受けたあとにちょっと横にずらしてコントロールするところですね。

 ポストプレーの時にボールを足元に止めてしまうと、相手に触られてしまったり、ボランチに挟まれてしまったりします。でもそこで少し横にずらすことで、背負ったDFは後追いになるし、ボランチも挟みにいけなくなるので、次のプレーの道が見えてくるわけです。

 ポストプレーが下手な選手ほど、ボールを足元に止めがちですが、うまい選手はみんなボールを横にずらして止めていますね。あるいは足元に止めたとしても次のタッチが速い。とにかくボールを速く動かして、相手の目線を変えて的を絞らせないのがポストプレーでは大事で、大迫選手はそこも非常にうまいですよね。

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