中村憲剛と佐藤寿人が若手の海外移籍を再び議論「超高校級と言われようが...」「J1のピッチに立たないと...」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

寿人 でも、本当にもったいなかったですよね。最後のイスラエル戦は引き分けでも突破できる状況で、先制して数的優位に立ちながら、逆転負け(1-2)を喫してしまったわけですから。どういうふうにこの試合を終わらせるか──というところが、曖昧でしたよね。

 もちろんベンチワークが重要ですけど、選手もある程度、リスク管理とか、相手を見ながら対応する必要があった。そこが一番、物足りないなと感じましたね。

憲剛 そこもやっぱり、行き着くところは経験になるのかなと。強化はしていたけど、海外での経験が足りなかった。海外移籍した選手のなかには、向こうでなかなか試合に出られず、コンディション的によくなかった選手もいただろうから。

寿人 やっぱり個人的には、日本である程度、結果を出してから海外に行くべきだと思うんですよね。まだ何者にもなれていないのに、海外組として扱われるのはどうなのかなと。いくら「超高校級」と言われようが、そこはアマチュアのなかの評価ですから。

 もちろん、将来性を買われて海外に行っているのは間違いないです。だけど、プロの世界で数字が残せているか否かでジャッジされるべきだと思うんですよね。

憲剛 あの年代が一番、強化が難しいんですよ。今のJリーグを見ても、高卒1〜2年目の選手がなかなか試合に絡めていないのは事実としてあって。だったら大学に行ったほうが実戦経験を積めるという流れが生まれているけど、その実戦経験はJリーグとはまた別のレベルですし。

寿人 Jリーグも手を変え、品を変え、若い選手に実戦機会を与えようとしているじゃないですか。ルヴァンカップのスタメンの年齢規定もそうだし、エリートリーグというのもあったけど、今年は開催されていない。

── 昔はサテライトリーグがありましたよね。

寿人 あれは今、振り返ると、本当によかったと思います。僕自身、プロ1年目はリーグ戦にあまり出られなかったんですけど、リーグ戦の次の日にサテライトリーグがあって。

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