今季J1で注目すべき移籍。選手個人はもちろん、チームにとっても絶大なプラス効果が見込める7人 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 センセーショナルな主力級の移籍という点において、鹿島のCBコンビに劣らない注目を集めるのは、FC東京に新加入したFW仲川輝人(横浜F・マリノス→)だ。

 右サイドを主戦場とする快足ウイングは2019年、横浜FMをJ1優勝へ導くとともに、個人としてもシーズンMVPと得点王を獲得。横浜FMの顔とも言うべき存在となっていた。

 ところが、2020年以降は自身のケガとチームの戦力アップが重なり、出場機会は減少。横浜FMがタイトル奪還に成功した昨季も、31試合に出場したものの、先発出場は15試合にとどまった。

 それでも、スピードのあるドリブル突破に加え、ボックス内での落ち着いたフィニッシュワークは優れたものを持っており、コンディションさえ整えば、まだまだJ1のトップレベルで活躍できる可能性は高い。

 ましてFC東京は、アルベル・プッチ・オルトネダ監督就任後、ボールを保持して試合を進める攻撃的なスタイルを志向しており、横浜FMから加わる仲川にとっては、自身の経験を落とし込みやすい環境だと言える。

 当然、FC東京にとっても技術と経験を兼ね備えた貴重な新戦力。目指すスタイルを浸透させていくための、起爆剤としても期待される。お互いにとってプラス効果がありそうな、相性のいい移籍補強だと言えそうだ。

 また、移籍で動く主力級の選手は、日本人選手ばかりとは限らない。

 最近ではJクラブ間で移籍する外国人選手も多く、すでにJリーグでの実績があり、日本での生活にも馴染んでいる彼らは、"計算できる助っ人"として、移籍先での活躍が期待される。

 今季で言えば、名古屋グランパスに移籍加入のFWキャスパー・ユンカー(浦和レッズ→)、ともにセレッソ大阪に移籍加入のFWレオ・セアラ(横浜FM→)とMFジョルディ・クルークス(アビスパ福岡→)が、その代表例だろう。

 ユンカーは昨季、浦和で出番を減らしていたものの、スピードあるドリブル突破と優れたシュート技術はJ1でも屈指。昨季リーグ最少失点タイだったにもかかわらず、得点力不足が響いて8位に終わった名古屋にとっては、待望のストライカー獲得となったのではないだろうか。

 シーズンを通してコンディションよく働くことさえできれば、堅守速攻を武器とする名古屋にあって、チームの救世主となる可能性は十分にある。

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