完成間近だったジュビロの革新的システム、N-BOXが封印された理由
短期連載・今こそ「ジュビロ磐田のN-BOX」を考える(4)
名波を襲ったアクシデント
なぜ、鹿島との大一番で磐田のN-BOXは輝いたのか――。
まさに大一番だったからではないか、と分析するのは福西崇史だ。
「相手が鹿島だったからモチベーションも集中力も高かったし、運動量もあった。試合をやっていて楽しかったし、確信を深めていったんじゃないかな」
鹿島戦の後も、連勝記録を伸ばしていた磐田だが...... photo by Kyodo news 宿敵から収めた快勝は、選手たちの自信を膨らませ、N-BOXを一層スムーズに機能させた。鹿島戦を経て守備における不安は取り除かれ、オートマティズムはさらに磨かれていく。
その後、セレッソ大阪、名古屋グランパス、浦和レッズ、ガンバ大阪を下した磐田は、開幕からの連勝をJリーグ記録タイの8に伸ばし、2位の清水エスパルスに勝ち点差8をつけて早くも独走態勢に入った。鈴木秀人が感慨深げに振り返る。
「鹿島に勝ったあたりから数試合は、やっていて本当に楽しかったですね」
だが、そのあと、声のトーンが少し落ちた。
「名波さんがいなくなるまでは......」
完成の域に近づいていたN-BOXの命運を揺るがすアクシデントが起きたのは、ガンバ大阪戦の終盤だった。
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