セミプロ相手に薄氷の勝利。クラブW杯で鹿島の「内弁慶」がまた出た (2ページ目)

  • 浅田真樹●文text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影photo by Sano Miki

 だがしかし、対戦相手のレベルを考えれば、この逆転勝利をポジティブなものととらえてもいられない。

 オークランド・シティはニュージーランド王者にして、OFC(オセアニアサッカー連盟)が主催するOFCチャンピオンズリーグの優勝クラブ。今大会が6年連続8回目の出場と、オセアニアでは圧倒的な力を誇る絶対王者だ。

 とはいえ、その実力を日本のクラブも出場しているAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に置き換えれば、グループリーグに出場するためのプレーオフに勝てるかどうか、という程度だろう。つまり、仮にもACL制覇を狙うクラブであれば、「ここだけには絶対に勝ち点は落とせない」というレベルの相手である。

 そんな相手に前半から攻めあぐみ、あげくに先制点まで許した。結果的に逆転勝利を収めたとはいえ、これをして勝負強いと言っている場合ではないだろう。鹿島の石井正忠監督は言う。

「相手陣内でボールを回していても、シュートが少なかった。シュートの意識がもっとあったほうがよかった。1点を失ってからギアが上がったが、これが続くと、(もっと強い相手になれば)負けてしまう。チームとして修正しながらやっていきたい」

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