福田正博が分析。アギーレJとザックJの最大の違い (3ページ目)

  • photo by Matsuoka Kenzaburo

 このように、本田を右サイドで起用することでもたらされたプラス面は大きく、それがザックジャパン時代との違いであり、アギーレジャパンの戦術のポイントといえる。

 ただ、このアイデアはアギーレ監督から発信されたものではなく、所属するミランで本田が4-3-3の右サイドでプレーしていなければ、実現していなかった可能性が高い。そういった意味では、アギーレ監督は勝負師としての運を持っているのかもしれない。 

 一方で、18日のオーストラリア戦を見る限り、アンカーを置く4−3−3が機能するには、もう少し時間がかかりそうだ。また、このシステムは日本代表には向かないとアギーレ監督が判断して、最終的に採用しない可能性もある。なぜなら、アンカーをつとめる選手には、豊富な運動量と高い守備力、パスの展開力など、多くのことが高い水準で求められるが、日本にはそれらがすべて揃った選手はそう多くはいないからだ。

 来年1月のアジアカップでも、オーストラリア戦のように4−3−3が機能しない可能性はある。ただ、勝つことへのこだわりが強いアギーレ監督ならば、4-3-3にこだわらず、対戦相手や戦況に応じてシステムを使いわけるだろう。どういった采配で日本代表をアジアカップ連覇に導くのか、興味深く見守りたい。

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