悲願の優勝へ。川崎・大久保嘉人がチームメイトに「喝」
「4強」の主力が語る優勝争い(4)
川崎フロンターレ・大久保嘉人編
10月5日に行なわれたJ1第27節、アルビレックス新潟対川崎フロンターレ戦。首位を走る浦和レッズを追撃すべく勝ち点を伸ばしたかった川崎は、0-3という思わぬ完敗を喫した。
大事な試合で力を発揮できないチームに憮然とする大久保嘉人(中央)。 この結果、川崎は4位(勝ち点48)に後退。首位・浦和(勝ち点56)との勝ち点差が8に広がって、J1初制覇が遠のいた。試合後、取材エリアに現れたFW大久保嘉人の口からは、これでもかというほど厳しい言葉が次々に飛び出した。
「(1-1で引き分けた前節の)ベガルタ仙台戦もそうだし、(大事な試合で負けた)去年もそう。負ける試合はいつも同じだから」
この日、川崎の得意とするパスワークは鳴りを潜めた。モタモタと後ろでパスをつなぐばかりで、効果的な縦パスが入らない。得点はおろか、チャンスさえも満足に作れず、新潟に勝ち点3を譲ってしまった。大久保が語気を強める。
「先に点を取られて焦ってしまい、急にビビって(縦パスが)出せなくなる。こうなると相手は絶対怖くない。負ける試合はだいたいこんな試合。いいときはオレが(縦パスを受けに)下がると、スパン、スパンとボールが入ってくる。そこに(相手DFが)2、3人寄ってくるから他の選手がフリーになるし、そうなれば、オレがその選手を使うこともできる。だからオレに(縦パスを)出してくれればいいのに、なぜ出せないのか。もしボールを奪われてもオレのせいにしていいから(自信を持ってパスを出せ)、と言っているんだけど......。パスが出てこなければ、オレは空気になってしまう」
そして、大久保はポツリとこうつぶやいた。
「途中から全然パスが出てこなくなって、普通のチームになってしまった」
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