【日本代表】理想的なサイドの崩しから生まれた清武弘嗣の代表初ゴール

【福田正博の日本代表スカウティングレポート Vol.29】
2014 FIFAワールドカップ アジア最終予選 vsオマーン 
前半20分 清武弘嗣 
○日本 2−1 ●オマーン 
2012.11.14 オマーン・マスカット


 今回は、2012年11月オマーン戦の清武弘嗣のゴールを解説します。

 このゴールでポイントになる選手は3人います。ひとり目は岡崎慎司。そしてふたり目はアシストをした長友佑都。3人目はゴールを決めた清武弘嗣です。

 まず岡崎が引いてくることによって、今野がパスをします。そして、最終的にはリターンするんですが、岡崎が引いてきたことによって、左サイドに実は大きなスペースが存在するんですね。岡崎が引いてきて一回パスを交換したことによってできたスペースを、長友がいいタイミングでランニングして、(DFラインの)裏で受ける。

 そこを見逃さずに今野がパスを出します。そこでいいコントロールをして、ボックスの中に長友がいい形で侵入できた。これは非常に良かったと思います。

 岡崎の動きでできたスペースを長友がうまく使った。そして、うまくここのペースを打開することができたということですね。そしてボックスの中に入ることができた。

 そしてここに入ったことによって、当然、前田もゴール前に詰めます。ディエンダーが釣られます。で、清武が横にスライドする。ここからボールに寄ることによって、こぼれてきたボールを、左足でいい形で代表初ゴールを決める。

 ここの左の崩し。岡崎、長友の動きによって、岡崎の作ったスペースを長友がうまく使って、ボックスの中に侵入することができた。そして当然、ゴール前は前田がしっかりとニアサイドに詰めて、そこでできた後ろのスペースを清武が後ろから入ってきて、シュートを決めた。

 そういう意味では、スペースをつくって使うサイドの攻撃がうまくはまった見事なゴールだったと思います。

【ゴールのポイント!!】
1.岡崎慎司のパスを引き出してスペースを作る動き
2.長友佑都のスペースを使う連動
3.前田遼一と清武弘嗣のゴール前での動き

動画はこちら>>

プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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