日本代表、W杯予選北朝鮮戦の招集メンバーは? 識者4人の森保ジャパン改造論 (3ページ目)

「指揮官にあるレギュラー組、サブ組の『壁』を取り払って」
中山淳●文 text by Nakayama Atsushi

 アジアカップのベスト8敗退により、世間は森保ジャパンの現状に懐疑的な目を向けつつある。下馬評では日本がダントツの優勝候補筆頭だったうえ、チームとしても優勝を唯一のターゲットとしていただけに、みんなが落胆するのも当然だ。

 とりわけ逆風にさらされているのが森保一監督だ。カタールW杯で手にした名声は今回のアジアカップですっかり地に落ちてしまい、まるで前回W杯アジア最終予選に時計の針を戻したかのように、一転して苦しい立場に追い込まれた印象は否めない。

 もちろん、敗退直後に田嶋幸三JFA(日本サッカー協会)会長から「続投」のお墨付きをもらっているので、現状では進退問題に発展する可能性はない。ただ、森保監督自身は自分に対する信頼を取り戻すために、ここから名誉挽回に躍起になることは十分に予想される。

 そうなると、これまで「目の前の試合に勝つ」ことを最優先してきた指揮官だけに、今後はその傾向により拍車がかかりそうだ。3月21日の北朝鮮戦から再開するW杯アジア2次予選においては、おそらく引き続き欧州組を中心としたメンバーを編成するだろう。

 ただ、冷静になって考える必要がある。本当に、残りの4試合(北朝鮮と2試合、ミャンマー、シリアと各1試合)すべてで従来どおりのメンバーを招集する必要はあるのか。

ケガのためアジアカップでは決勝トーナメントからの出場となった三笘薫 photo by Sano Mikiケガのためアジアカップでは決勝トーナメントからの出場となった三笘薫 photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る アジアカップで、森保監督は一部の選手を除き、欧州組を中心としたベストメンバーを招集した。ただそのなかには、故障を抱えたままチームに合流し、大会期間中にケガから回復した選手もいた。つまり、森保監督がアジアカップを戦うために集めた26人は、選手のコンディションを含めると、決してベストな陣容とは言えなかった。

 それが意味するところは、表向きには「誰が試合に出てもチーム力が変わらないだけの人材が揃っている」と言いながら、実はまだ指揮官のなかではレギュラー組とサブ組の間にはひとつの壁が存在しているということだろう。

 その壁がなければ、おそらく準々決勝のイラン戦の後半で、もっとスムーズに交代カードを切ることができたのではないだろうか。

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