「森保一監督、参戦!」新春スペシャル鼎談  「こんなにフランクでいいの!?」中村憲剛と佐藤寿人が本音をぶつけてみた (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

寿人 あれは僕が若かっただけです。32歳でしたけど。

憲剛 32歳は若くないからな(笑)。

寿人 たしかに若くないですね(笑)。あの時は僕が悪態をついてしまったわけで、ポイチさんにも「その態度は受け入れられない」と言われました。でも、一方で「その想いもわかる」とも言ってくれて、そこは救われましたね。

 あの時期は若手が多かったので、自分のことだけではなく、彼らにいろんなことを伝えないといけない立場でもありました。ベテランとしての振る舞いを気づかせてもらったことで、結果的に次の年の3回目の優勝にもつながったのかなって思っています。

── ではもう、わだかまりはないということで?

森保 そもそもないですから(笑)。

寿人 そうですよ。僕が悪かっただけですから。それを今さら、掘り起こさないでください(笑)。

森保 これは自分で言うことではないんですけど、そこが僕のいいところかなと思っていて。選手には思いきり感情をさらけ出してほしいんですよ。ベテランだろうが若手だろうが、ずっとギラギラした想いを持っていてほしい。

 たしかにベテランになればいろんなことがわかって、多少落ち着くところはあるとは思いますけど、でも、自分がスタメンで出たい、ピッチに立ち続けたいっていう気持ちは、やっぱり忘れてはいけないところだと思っています。

── 意見を言いやすい監督だということですね。

森保 さっきの憲剛との話もそうですけど、自分があるようでなくて、ないようであるような感じですかね(笑)。ピッチ上にいる選手たちとか、自分と違う価値観だったり、見方を持ってる人たちの話を聞くことで、より選択肢を持って、よりよい答えを見つけたいんですよね。

 熱い想いを持って、みんなで好きなことを言う合うほうがいいじゃないですか。ただ、こうやろうって決めたら、自分の主張が通ったとか通らないとかではなくて、一致団結してやるべきことをやっていこうと。それは広島の時もそうですし、今も変わらないですね。

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