アルビレックス新潟で「調子に乗って」ポジション喪失 GK藤田和輝はいかにして新天地で日本代表まで上り詰めたのか (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 栃木にもそういう熱気があって、練習中でもみんなが厳しく言い合う雰囲気があれば、別に磐田の昇格を目の前で見ても何とも思わなかったでしょうけど......。何と言ったらいいのか......、そういうバチバチした雰囲気でやりたい、とは思いましたね」

── そうしたすべての経験を含めて、今季は藤田選手にとってどんなシーズンでしたか。

「新潟で(試合に)出ていた時より自信はついたし、やれている感覚もある。シーズンを通して出られた経験は、すごく大きかったと思います。試合に出続けた結果、周りの評価もガラッと変わって、(U-22)代表にも選ばれましたし、試合に出て結果を残すことでこんなにも評価が変わるのかと、サッカー選手としての醍醐味も感じました。

 ただ、これからは試合に出るだけでなく、出て活躍しなければいけないんだっていうプレッシャーも感じています。ここで調子に乗らずに地に足をつけて、来年は活躍しなければ、代表の枠組みにも入っていけないと思うようになりました。

 そうやって来年のことも見据えられるようになった今年は、今までで一番充実したシーズンだったのかなって思っています」

(後編につづく)

◆藤田和輝・後編>>GK争いは横一線「パリの椅子のひとつはアイツで確定」と冷静


【profile】
藤田和輝(ふじた・かずき)
2001年2月19日生まれ、新潟県新潟市出身。幼稚園の頃からアルビレックス新潟のスクールに通い、下部組織を経て2019年にトップチームに昇格。2020年に一度はレギュラーを掴むもその後はポジション争いに苦しみ、2022年に栃木SCへ期限付き移籍。2024シーズンは期限付き移籍でジェフユナイテッド市原・千葉でプレーする。日本代表は2023年11月に行なわれたアルゼンチン代表戦で先発出場を果たす。ポジション=GK。身長186cm、体重82kg。

プロフィール

  • 浅田真樹

    浅田真樹 (あさだ・まさき)

    フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。

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