U-22日本代表、プレミアリーグの若き精鋭が集ったイングランドに快勝しても満足度が低かった理由 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by ©JFA/PR

「相手はシーズンが終わったばかりで、やっぱりモチベーションも結構下がっていると、試合中やっていて思った。リバプールのエリオットがちょっとうまかったな、ぐらいで。スミス・ロウとかも空気みたいな感じで(苦笑)。自分からしたら、今までのヨーロッパ(で対戦したチーム)のなかで一番......、なんかそんな、弱かったって言ったらアレですけど、っていう感じではあった」

 そして藤田は、「あっち(イングランド)は本番の前だったんで、戦術確認とかも含めてちゃんとやってくれるかなと思ったけど、ちょっとそこは残念だった部分はあった」とつぶやいた。

 だが、そもそもイングランドにしてみれば、はなからそれがわかっていたから、自前のトレーニング施設(セント・ジョージズ・パーク)内で試合を行なったのだろう。

 非公開にしたのは、タイトルマッチを前にライバル国に自分たちの情報を与えたくない、というよりも、人に見せるような試合ではない、という意図があったのかもしれない。

 山本が語る。

「観客も入っていないし、ホテルから歩いて移動してきて試合、みたいな感じだったんで、今までの観客ありの、この間のドイツ戦みたいな試合よりは、練習試合感が多少強かったというか。たぶんイングランドもそれを感じて、本気モードではなかったのかなっていうのは肌で感じた。自分の感覚的には、スペイン、ドイツ、ベルギーとかのほうが、全然強かった」

 だからこそ藤田は、「自分たちとしてはやれた部分が多かったので、そこは自信を持っていいと思う」としながらも、「でも、もうちょっと相手の熱量が上だったらどうだったかっていうのはわからない」と認め、こう続ける。

「この結果で自分たちがもうできるようになったと過信するのはちょっと違うと思う。またここで気を引き締めて、次の試合、みんなで勝てるようにいい準備ができたらいいなと思う」

 勝つには勝った。だが、思いのほか、満足度や納得度が低かった敵地での勝利を経て、次に臨むのは6月14日のオランダ戦。過去にはオリンピック世代の欧州王者の座についたこともある、ヨーロッパ屈指の強豪国を相手に、日本がどんな戦いを見せるのか。

 相手ともども、見応えのある試合を期待したい。

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