問題多しハリルジャパン。ただ、監督批判だけでは何も生まれない (5ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

 3試合すべてにフル出場を果たした遠藤航は、所属クラブに還元できること、所属クラブで意識していくことを挙げた。

「まずはみんなに、『湘南のサッカーは間違ってない』ということを伝えたい。チョウさん(曺貴裁監督)のサッカーをブレずにやっていくべきだと思うし、自分自身も湘南の3バックの右に慣れすぎず、ボール奪取や球際の意識をもっと高めたい。『もっと細かくラインコントロールしろ』というのも今回言われたことなので、チャレンジしていきたいと思います。チームとしても、個人としても、まだまだ成長できると感じています」

 大会を終え、指揮官は「批判は私に向けてください」と語った。だが、今大会の結果をもってして、指揮官を批判したところで何も生まれない。むしろ、厳しい視線を向ける先、プレッシャーを掛けなければならないのは、選手に対してだろう。

 たとえば、中国戦で日本がゲームを支配していた後半の時間帯に、ほぼひとり蚊帳の外にいたFW宇佐美貴史に対して――。もちろん、2トップとしてプレーするガンバ大阪とは異なり、日本代表ではサイドハーフで起用されているため、ゴールへの道筋、プレーの選択肢が限られ、守備での負担も大きいのは確かだろう。だが、ロシアW杯で日本のエースになるべき選手が、このレベルで消えてしまっているようでは困るのだ。

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る