上機嫌なハリルホジッチに問う。中国戦はそんなに良かったか (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 早草紀子●写真photo by Hayakusa Noriko

 それと真反対にあるのが中国。パス交換は絶望的に巧くない。まるで洒落ていないが、進もうとする方向はいい。空いているスペース、日本が嫌がる方向に、運んでいく。

 だから意外な奪われ方をしない。何十回と日本にボールを奪われたはずなのに、チーム全体で「しまった!」と、大焦りする瞬間はほとんどなかった。

 これは監督の力そのものだ。この試合が引き分けに終わった最大の原因でもある。力の劣る中国に善戦を許した理由はなぜか。日本の選手のレベルは、下がったといっても中国よりは上。となれば、日本の監督の力が高くなかったからとなる。

 その日本の監督は、過去2戦の不出来についてコンディションに原因を求めようとした。コンディションを敗因に挙げる監督の将来は長くないとは、よく言われるが、ハリルホジッチが任期の途中で解任されることはないはずだ。

 もし解任となれば、ブラジルW杯以後、アギーレに続き2人目となる。アギーレとそのスタッフに、いくら支払ったのか定かではないが、それが億単位のお金だったことは想像するに容易い。もしハリルホジッチも解任したとなれば、さすがに協会首脳陣の責任問題に発展する。協会の首脳は残る3年間、ハリルホジッチと心中するつもりでいるはずだ。

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