星野伸之のパ・リーグ順位予想 山下舜平大や佐々木朗希など若きエースの起用法を予想 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【5位予想:西武】

――先発ピッチャー陣は充実している西武ですが、打線が課題でしょうか?

星野 昨季のチーム得点も435点(リーグワースト)でしたが得点力が劇的に向上するとは考えにくいですし、ヘスス・アギラーやフランチー・コルデロといった新外国人選手頼みになります。アギラーのオープン戦でのバッティングは及第点だったと思いますが、長いシーズンでどうなるか。そういった点は、レギュラーに定着する若手野手が育ってきていないことが響いていますね。

――髙橋光成投手が右肩の張りで出遅れていますが、即戦力左腕のルーキー・武内夏暉投手も加わった先発ピッチャー陣は強力です。

星野 武内はいいですね。今井達也、平良海馬らがいて、隅田知一郎は昨季よりもよさそうですし。ただ、やはり打線がある程度打ってくれないと浮上していくのは難しい。「やっぱり今年も点が入らないのか......」とピッチャー陣が思ってしまうと、なかなか辛抱しきれなくなりますから。

【6位予想:楽天】

――楽天を最下位に予想されましたが、どんな理由が挙げられますか?

星野 長年クローザーを務めていた松井裕樹が抜け、今季は則本昂大が担うようですが、そんなに簡単にはいかないと思います。先発にコディ・ポンセが加わりましたけど、田中将大や岸孝之はベテランですし、ローテーションを守りながら長いイニングを投げ続けるのは厳しい。若い早川隆久や荘司康誠らがふた桁勝つような活躍を見せれば上位を狙えると思いますが、そこ次第でしょうね。

 昨季のチーム得点は513点(リーグ2位)ですし、打線は悪くないと思うんです。ただ、相手があきらめたところで大量点を取って稼いだところもありますし、やはり1点差の試合をモノにしていかないといけません。実際に昨季のオリックスは、チーム得点は508点(リーグ3位)でしたが、2位に15.5 ゲーム差をつけて独走した。要所要所でどう点を取るかですね。

【プロフィール】

星野伸之(ほしの・のぶゆき)

1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000三振を奪っている。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。

プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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