「守備が一番うまいのは平田だ」高校通算70本塁打の平田良介が落合博満監督から評価されたのは打撃ではなく守備だった (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 落合監督の野球を選手サイドからはどう見ていましたか。

平田 落合監督は2011年限りで退任が決まっていても、泰然自若で焦っているところを見たことがありません。常に先を読んでいる気がしました。落合監督の野球をひと言で言えば、「合理的な野球」。まず選手一人ひとりに役割を与えます。そして選手は「これだけは絶対にやらないといけない」ということを、自分で気づかないといけないのです。わかりやすく言えば、荒木(雅博)さんと井端さんは二遊間をしっかり守って、1、2番打者として出塁することです。

── 平田さんの役割は?

平田 僕のメインは守備と走塁です。「守備が一番うまいのは平田だ」と言ってくれていたので、守備でミスをするとファームに行かされました。落合監督は、現役時代は三冠王に輝き、監督としては投手を中心とした守りの野球がクローズアップされますが、走塁面でも「捕手からピックオフプレーがない場面で、わざわざベースまで戻らなくていいだろう」と、打つ、守るだけでなく、野球の細かなところまで気を配る方だなと感じました。

後編につづく>>


平田良介(ひらた・りょうすけ)/1988年3月23日、大阪府生まれ。大阪桐蔭高では1年秋から4番を務め、3年夏の甲子園準々決勝で1試合3本塁打をマーク。2005年高校生ドラフト1巡目で中日から指名を受け入団。入団後はなかなかレギュラーに定着できずにいたが、11年に113試合に出場し、14年に初めて規定打席に到達。15年にはベストナインを初受賞した。16年には主将に任命され、翌17年はWBC日本代表に選出。22年シーズンを最後に現役引退。現在は解説者の傍ら、エースファクトリーベースボールクラブに入団し軟式野球に励んでいる。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る