山田久志が清原和博を「痛めつけていた」理由 一方で松永浩美は、阪急の大エースに「頭突き事件」を起こしていた (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――それは、松永さんが何歳ぐらいの出来事ですか?

松永 24歳の時です。レギュラーになって3割も打って、リーグ優勝にも貢献して......みたいな感じで、そこそこ自信を持ち始めた時期でした。山田さん以外だったら殴られていたかもしれませんね。

 思い返せば、山田さんが「マツ、やめろ! やめろ!」と言っていたのはなんとなく覚えているんです。ただ、どうやって近づいたか、などはまったく記憶にありません。山田さんに頭突きをしてしまったことは、自分の中では「野球人生で一番大きい出来事」でした。あの大エースに頭突きをしてしまったわけですから。

――ある意味、それだけ山田さんが打たれたことがショックだったんでしょうね......。松永さんにとって、山田さんはどんな存在ですか?

松永 いろいろ教えてもらいましたし、自分を成長させてくれた方です。今回は、タイムをかけるタイミングや、エラーをしていた時に「お前、勘違いしていないか?」と言われたことなどを話しましたが、今の若い選手が同じような教え方をされることはないでしょう。本当に自分を変えるきっかけ、成長するきっかけをたくさん与えていただきました。

【プロフィール】
松永浩美(まつなが・ひろみ)

1960年9月27日生まれ、福岡県出身。高校2年時に中退し、1978年に練習生として阪急に入団。1981年に1軍初出場を果たすと、俊足のスイッチヒッターとして活躍した。その後、FA制度の導入を提案し、阪神時代の1993年に自ら日本球界初のFA移籍第1号となってダイエーに移籍。1997年に退団するまで、現役生活で盗塁王1回、ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞4回などさまざまなタイトルを手にした。メジャーリーグへの挑戦を経て1998年に現役引退。引退後は、小中学生を中心とした野球塾を設立し、BCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスでもコーチを務めた。2019年にはYouTubeチャンネルも開設するなど活躍の場を広げている。

◆松永浩美さんのYouTubeチャンネル「松永浩美チャンネル」

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