セ・リーグ新人王レースは阪神・村上頌樹がリード 巨人勢の逆襲は? 笘篠賢治が予想 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

【ドラフト最下位指名選手も奮闘】

── では、村上投手の対抗馬は誰になりますか。

笘篠 秋広優人(巨人)選手と福永裕基(中日)選手です。昨年の秋広選手は手打ちで、ボール球にも手を出していたのですが、今年は重心が下がって、下半身をうまく使えるようになっています。残り試合で規定打席に到達し、印象深い活躍をして、打率3割近く。現時点では村上投手が圧倒的にリードしていますが、もしそれくらいの成績を挙げるようだと、記者票は割れると思います。

── 福永選手はドラフト7位指名ながら開幕スタメンを勝ちとりました。

笘篠 先述した村上投手のプロ初勝利の試合で2安打を放ったのが福永選手でした。昨年の(支配下)ドラフトでは最後となる69番目の指名でしたが、プロに入ってしまえば順位は関係ありません。今年27歳、「このチャンスを逃してたまるか」という覚悟とハングリー精神がプレーに現れています。

── 村上投手の高校(智辯学園)の後輩にあたる前川右京(阪神)選手も、2年目ながらスタメンで起用され活躍しています。

笘篠 シーズン途中から起用されたこともあり、規定打席到達は厳しいかもしれません。それでも6月6日のプロ初安打から3打席連続安打。また6月27日の中日戦では3番に座り、柳裕也投手から3安打したのは立派です。176センチ88キロの前川選手は、打撃ではどっしりしていて、タイプ的にはオリックスの森友哉選手を彷彿とさせます。

── では、新人王レースの大穴は誰でしょうか。

笘篠 横川凱(巨人)投手ですね。5年目の今季、育成からはい上がって開幕ローテーション入りを果たしました。(クラブをはめている)右腕を高く上げる投球フォームは、打者からは見づらいと思います。本人は「任された場所でチームに貢献する」と語っているようですが、ここまで60イニング以上投げています。今後、自分の投げるポジションを確立していくと思います。

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